第15回日本山岳耐久レース

平成19年10月20-21日

レースの詳細(公式HP
 
リザルト詳細
男子総合36位 出走者2003名 完走者1540名 

第1関門 44位 2時間52分14秒  (3時間29分41秒)
第2関門 37位 5時間41分23秒  (6時間54分40秒)
第3関門 36位 8時間12分32秒  (9時間45運58秒)
総時間  総合36位 9時間41分0秒 (11時間14分8秒)

※( )内の数字は昨年のリザルト



<レポート>
 
  朝、4時に起きて、ヲカダに作ってもらった特製パスタを腹に詰め込む。残りのパスタもタッパーにつめて出発。今年はヲカダが運転手&撮影でサポートしてくれた。 5時過ぎに家を出て上信越から関越、圏央を経由して五日市へ8時過ぎに着く。約3時間。今年はETCカードが2枚あったので、更埴〜富岡、富岡〜日の出をそれぞれ通勤割引で半額通過。ちょうど200km弱なので可能だった。

  日の出ICから会場までのセブンに入り、直前に食べるものを買って、最後の脱糞。それから駅前駐車場に向かう。

  今年はR&Bでチームエントリーした。現地でウッキー&ようぺい君と待ち合わせして合流する。駐車場はいつでも出し入れ自由な駅前駐車場にしたが、去年より早く8時半ごろに満車となる。なので遅れて来たようぺい君は翌朝8時まで車が動かせない無料駐車場へ。いっぱいかと思いきや、さっくり止められたようだ。また、特に翌朝までゲートが閉められるわけでもないようだった。駅前駐車場はTimesになってきれいに舗装されていた。

  去年は一人だったので、体育館を利用しなかったが、今年はウッキーとともに小学校の体育館を利用した。最初はガラガラだったけど、11時ごろには激混みに。中学校よりは小学校のほうがやや空いているような気がした。来年はもうちょっと入り口近くに陣取ったほうがいいだろう。あまりリラックスできる環境ではなく、一人だと辛い空間。単なる荷物置き場と考えたほうがよさそう。

 一昨年は雨の中、去年はピーカン、今年は事前の天気予報だと雨っぽくやきもきしたが、結局去年に引き続きピーカン。日焼け止めを塗りたいほど。装備は去年より2週間遅いことを考えて水を減らそうかと考えたが、荷物の重さの影響より脱水が怖かったのでそのままにした。行動食は去年の教訓からおにぎりや大福をカットして軽量化した。このためか昨年度感じた荷物の重さを感じなかった。今年から荷物チェックがなくなったので、さらに防寒着や予備電池、ピンチパックもカットした。

装備:( )内数字は残量
ハイドレーション2L シトリックアミノ +1.5L補給(CP2:ポカリスエット)
500ml×2 ペットボトル シトリックアミノ&アミノバイタル(まずい)  2本とも飲まず。1本はCP2で捨てた。

梅しば 4個(2)、パワージェル2個(1)、パーフェクトプラス4つ(1.5)、パワーバー1本(1)、
シトリックアミノ2本(1)、アミノバイタル2袋(2)、アミノバイタルスーパースポーツ4本(0)、
ソイジョイ2本(0)、カーボショッツ4本ボトルへ(0)

感想:
  真ん中くらいからソイジョイでも食いにくくなった。パーフェクトプラスも食いにくかった。ジェルは食べやすいが、甘くて気持ち悪くなる。塩分をどうやって取るかが課題。梅しばは塩っけよりすっぱさが強く、シトリックアミノのクエン酸のすっぱさとかぶってしまう。最後はいつもどおり、気持ち悪くなる。レース後半は少し吐き気がして、甘いものは受け付けなくなる。。。


スタート〜第1関門

 去年は出発で出遅れたので、今年こそ前に並ぼうと思い、開会式のときから去年の出発位置付近にウッキーと陣取る。しかし、直前になって出発はなぜかゲート付近が前と分かり、あせって前に出るが、やはり真ん中程度からの出走となってしまった。去年は招待選手がいっぱいいたし、石川選手もいたので華やかな感じがしたが、今年は鏑木さんも怪我があったりとちょっと地味な印象。しかし、リザルトから見るとレベルは間違いなく上がっている。今年も7時間台は出るだろうかと思う。

 初参加の去年と違い出足が肝心ということで、飛ばす。飛ばさなくても上からどんどん落ちてくる。それをよけるように進む。ハセツネでは北丹沢ほど最初に飛ばさなくてもすぐにばらつく印象を持った。ロードでも大分抜いた気がしたが、直線に入って前方を見るとまだまだ100人以上が前にいそう。やばいと感じる。
  山道に入ってからもできるだけ抜く。最初は飛ばしちゃいけないと思いながら飛ばしてしまう。つぶれなければいいけど・・・でも少しでも順位をあげたい!と強く思う。

  しばらくすると、去年より大分、周りのレベルが高いと感じる。平地やくだりを走るのはもちろん、薄い登りでも走る。去年は第1関門くらいまで抜きたくても抜けないイライラを感じたことを強く覚えているが、今年はむしろこちらが流れに乗せて貰った感じ。スイスイ進む。去年は入山峠の階段で結構待ち時間があり、周りの人に目標タイムを聞いたりしていたが、今回は渋滞まったくなし。ひょっとしたら結構いいポジションにいるのではないか?と思い始める。あせりもなく本人、結構冷静になってくる。このことはストレスがなく走れたので、まだ余裕もあってルンルン気分。
 今年は去年より距離感があったのでタイムも気にしながら走る。そろそろ市道山に着くと思いながら、なかなか着かないと思っていたら、すでに過ぎていた。去年はまだかまだかと思っていたCP1にあっさり着く。40位台だと聞いてびっくりする。

第1関門〜第2関門
 去年はここから三頭山までが本当に苦しかった。途中で腿は攣るし、ハイドレーションはそこをつくし。今年は攣る様子はまったくなく、走りが楽しめている。この頃はまだ余裕あり。
  確かCP1を過ぎてしばらくしたところのくだりの木の階段のところで、前を走っていた黄色いシャツを着た若いランナーが「イタタタタ!」といってしゃがみこんだので、びっくりして「大丈夫ですか?」と声を掛けると、「大丈夫です。何か虫に刺された」といっていた。その後も僕が知っているだけで3人の人がCP1前後でハチに刺されていたようだ。刺されなくてヨカッタ・・・

  去年はこれからの登りでヘッドライトを出しておしっこをしたが、今年はまだ出さない。何処で出したか覚えてないが、西原峠くらいだろうか。また、去年は三頭山ののぼりで泣きが入り、非難小屋のあるところを山頂だと勘違いして、あとは下るだけか〜と思いながら隣の人といすに腰掛けて、疲れましたね〜などと談笑していたのが懐かしい。

 三頭山を越えると距離もあと半分だし、下りが主体となるので大分気分的に楽になる。去年は確か三頭山の下りで道に迷ったが、今年は問題なし。鞘口峠までの下りでも何人か抜きながら無事降りることができた。
  ハイドレーションも今年は空にならない。月見夜まで順調に走る。去年はこの辺でも辛かったが今年はまだまだ順調。ただし、行動食を食べてもだんだん気持ち悪くなってくる。

  このころから前後にランナーが見えなくなる。前方に見えたときもあったが、やがて見えなくなる。登りでは三頭山までの登りでは後ろにライトが見えたが、下りになると離れるのか孤立する。

  やがて月見夜手前のロードに出る。CP2はもうすぐ。今年はなんとか5時間台で着きたい。そうすれば、10時間台は間違いないだろう。
  CP2に着くと、去年はごろごろ人が休んでいたが、今年は休んでいる人が見当たらない。給水はポカリor水だけど、ポカリを選択。1.3Lくらいハイドレーションに入れ、残りはその場で飲む。ハイドレーションは残量100mlくらいだったろう。後は下り主体だから水分は1.5Lで十分と考え、もしダメでもCP3手前の水場があると考え、給水を受けている間に、給水場所の前でペットボトル1本をさかさまにして地面に置き捨てる。するとスタッフの方が、「こぼれてますよ」と注意してくれる。「捨ててるんです」というと、ここで捨てるのはちょっと、、、と注意ではないが、指摘される。頭がレースのことでいっぱいで、周りが見えなかった。反省。


第2関門〜第3関門

 ここからは急な下りでスタートする。もう少し手前もそうだったが、ガスがひどいところがあった気がする。くだりでは、もっとスピードが出せたけれど、ハンドライトの光量がたらず、ちょっと減速したところもあったような気がする。来年はもっと強力なハンドライトを用意しようと思いながら走る。途中、ドライな土だと思って不用意に置いた足が滑って転倒する。木の階段が面倒で脇にそれた瞬間だったので、木に身体をぶつけなかったことが幸運だった。しばらくヤバカッタ〜と放心する。幸い、打撲等はなく再び気を引き締め走り始める。

  後は、御前山と大岳山の大きな2つのピークを越えれば、激下りになるのだが、この2箇所がきつい。御前山手前の登りが終わったところで御前山に登ったと勘違いして、かなり辛い思いをしたが、今年はそういうことも知っているから気分的には楽だった。でも坂は坂。固形物は食えなくなりつつあったので、ポカリを飲みながら進む。ゼリーももう1本残っていることに気づき、ちょっとうれしかった。ブチューと吸いまくる。ふー。
  大ダワまで快調に下る。大ダワから大岳山までは、ビミョーな登りが続く。歩くほどではないが、疲れた身体では、サクサク走れない。でもここらへんの緩い登りをどう処理するかが、8時間台を出せるか出せないかの違いとなってくるのだと思う。

  大岳山手前の岩場はよく覚えていた。岩場は2段ある。山頂に来ると、後は本当に下るだけだ〜という開放感を感じる。少し吐き気があること以外は、足もまだまだ大丈夫だ。

  御岳山までは、下りを走る。下りは大好きなのでこけないように慎重に走る。それほど急がなくても追っ手は来ない。ただし、去年のように前から落ちてくる人もいない。やがて薄い上り下りの林道のような道になる。もうちょっとで水場があり、その先にCP3があるはずだ。元気がちょっとだけでる。でもさすがに疲れている。激走はできない。水場では手で3杯ほど水を飲んでそのまま通過。

  やがてCP3に入り、足についているチップをセンサーのようなものでチェックされる。オオ、去年より1時間半くらい速い。どこでどう短縮されているのか。自分でもよく分からない。僕はちょっと強くなったのだろうか。

第3関門〜ゴール
 去年はここから1時間半でゴールしている。去年と同じくらいで走っても、10時間を切れることになる。そして感慨深かったのは、今年のゴール推定時間を9時間40分としたら、去年はその時間に、まだここに到達していなかった!ということだった。
  そんな事実に自分はちょっと満足してしまった気がする。サブ10達成なんて、いつかの夢と思っていたのに、あっさり達成できてしまうのか?これからの下りで怪我しないよう慎重に行ったほうがいいんじゃないか?10時間を切れば、40分台だろうが30分台だろうがあまり大差ない気すらした。

  御岳山の宿の間を走り、やがて森に入る。去年はここで女性のランナーを抜いたな〜などと思い出しながら走る。強いくだりでもなく、強い登りでもない、針葉樹の植林のなかをひたすら走る。路面はそれほどテクニカルでもない。なので無心になってロードのように走れる。うれしい。
  その後、日の出山手前の坂&階段でヒーヒーに。まだ登らせんの〜堪忍して〜って感じ。しかし、日の出山から見える夜景には感動させられる。もはやへろへろになっている自分に対しスタッフは夜景が見えますよ〜と休憩を促す。だけど、休むことなく、急な石段を下り始める。とにかく早くゴールしたいのだ。

  ここからゴールまでは約10kmである。ロードの10kmとトレイルの10kmは距離感がかなり異なる。登りが主体のところだと倍くらいに感じることもある。ここからの10kmは緩やかな下りが続くため、走り続けられるけれど、結構ながく感じるのだ。植林地のなかを延々と下る。まだかまだかと思いながら。でもゴールは確実に近寄ってきている。森の木々の隙間から見える町の明かりも段々と近づいてくるのが分かる。やがて闇の中から、あと5kmですよ〜というスタッフの方々と会う。今思えば、こことゴール地点は無線でつながっていて、通過を報告しているのかもしれない。

  最後の力を出す。最後はコンクリートのつづれ折の坂が待っていることを覚えているが、なかなかそこに到達しない。後ろを振り返ってもだれも来ない様子で、ダラダラ走る。そうしてようやくコンクリの道に入る。本当にあともうちょいだ。と思い、後ろをチラッと見ると、すぐ後ろでライトが揺れている!えっ?いつの間に?追走者だ!とおもい、ようやく目が覚める。ギアチェンジし、逃げる。まだまだ、足はイケル!しばらくぶっ飛ばせば、追走者は見えなくなる。下に降り、ゴール手前のロードに入ると、感動のあまり、ベタな表現だが熱いものが込み上げて来た。鼻の奥がツーンとしてしゃくりあげそうになりながら、涙が自然と出る。ちょっと呼吸困難気味になる。ゴールする瞬間には笑っていようと涙をぬぐって後ろをチラッと見ると、またライトが揺れている!ヤバイと思い、逃げる。逃げる力は残っていて、俺はまだ走れる!と心の中で叫びながら、そのままゴールへ。自然と両手でガッツボーズがでる。全身がシビレル。すぐにヲカダが近寄ってきて写真を撮ってくれた。そうしている間に追走してきた人がゴールした。その人はなんと女子1位のM瀬さんだった。カメラマンや取材陣が一気に向こうに集まる。僕はポツーン・・・でも、タイムを見て、また感動する。自分の出した結果に一番驚いたのは自分自身だったから。




<来年に向けて>
・目標は9時間10分台。
・コースの試走をやること。
・ハンドライトをもうちょっと明るいものに変える。
・塩分補給方法を工夫する。
・食料は今年程度でよいような気がする。
・事故を考えて、やはり携帯電話は持つべきか。

  ハセツネは北丹沢や箱根と違い、登りが苦手でロードが得意なランナー向きかもしれない。自分にとっては他のトレイルランレースよりタイムが出しやすいかも。今後の課題は「うす登り」を如何に走って処理できるか?なのだと思う。ゆるーい登りの林道をひたすら登り、ピークに着いたら急なくだりを降りるようなトレイルで練習すれば、きっと強くなれるだろう。また、前後にランナーが見えなくなっても、強い気持ちを維持する精神力も必要。今年はサブ10が濃厚になってきた時点で、その事実にほくそ笑んでしまい、CP3からゴールまでのラップが去年と大差なくなってしまった。反省。緊張感を維持できれば、9時間30分をきることもできたかもしれない。

 

受付を済ませる。 小学校の体育館にて。
オー、これが長谷川恒夫カップか。 スタートゲートにて記念写真
チーム ロックアンドブッシュ そろそろスタート
ゴォォォーーール!直後。 トン汁がうめ〜


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