滝谷クラック尾根

平成20年8月14日-16日
参加::dani、ようぺい


<8/14>
6:00 dani家集合
7:30 沢渡中駐車場
8:10 バス発 往復で1800円
8:50 かっぱ橋
10:30 徳沢
11:30 横尾
14:30 涸沢

 ようぺい君に迎えに来てもらい、車を入れ替え、インプで沢渡中駐車場へ。バスに乗って上高地入り。往復券かうと1800円だった。
  上高地はすごい人。韓国の人がものすごくいた。半分くらいアジアの人かも。横尾すぎたところで、オコジョに会う。その後、本谷橋付近から、ようぺいパワーで雨が降ってくる。それも大雨。カッパを着ていても濡れるくらい・・・この日は北穂のテン場に行く気だったが、めげてしまい、涸沢泊。

<8/15>

4:30 起床
6:00 出発
7:45 北穂高岳
8:30ごろ ガスの中、B沢を探す
9:00 B沢下降開始
10:00ごろ ちょんぼガリー登攀開始
12:00ごろ 旧めがねのコル
14:00 登攀終了

  朝起きると、一面ガスの中。もう一度寝ようかと思うが、とりあえず下見にだけでも行こうとがんばって出発。雨は降ってこないが、とてもクライミングできる雰囲気ではない。北穂のテン場でクライマーらしきテントがあったのでそばにいた人に声をかけるが、今日は誰も登っていないとのこと。ガスは滝谷側から上がってくるから風もあるし、岩も乾かないとあきらめムード。我々もあきらめムードだが、松浪岩まで行って、C沢を除く。霧吹きの水が下から上がって来ている感じ。C沢下降は長いし、20m先がやっと見えるくらいなのであっさりパス。
  その後、クラック尾根の下降路となるB沢を見に行く。大キレットに向かって下降する。霧の中、何も見えず、B沢を通過してしまう。たしか小屋から150m下るはずだけなのだが・・・結局、次に覗いたルンゼは懸垂じゃないととても降りることができそうにない地獄の入り口に見えたので、少し戻ってコル状のところへ行くと、B沢入り口とペンキで書かれていた。確かにここは下れそうだが、クラック尾根はまったく見えない・・・

  これからクラック尾根を登るかどうか迷うのだが、明日は今日より天気が悪いと予報では言っていたので、せっかく来たのだから、ようぺい君に、行く?とカマをかけたら、行く!というので行くことにした。

  B沢はもちろん初めてだったが、地震以降かなり悪いと聞いていた。実際行ってみたら、瓦礫の墓場のようなところで、足元からザザザーと岩が崩れ落ちていく。後からくるようぺい君の落石を食らわないように慎重に下る。途中残置ピトン1本にナイフブレードを1枚打ち足し、2本で1回懸垂をした後、下降を継続し、もう1回懸垂しようか迷っていたら、左岸側の上の方に旧めがねのコル近くにあるピナクルが見えた。取り付きも崩壊で悪いらしいから、ここは懸垂でB沢の下降はやめて、草付をトラバースし、旧めがねのコルに突き上げる簡単そうに見えるガリーを登ることにした。

  ガリーには浮石があるだろうから、ビレイは少しよけた位置の岩陰にとってもらった。daniリードで登り始める。最初は簡単だったが、抜け口が悪い。悪いというかすべてのホールドおよびスタンスが浮石。ランニングもほとんど取れない。引けるホールドがまったくない。なので、怒涛のステミングとマントル攻撃で身体をじわじわ上げていく。生きた心地がしない。来るんじゃなかった・・・ここで落ちたら岩雪崩とともにB沢にミンチやな・・・やっぱりB沢下降すればよかった・・・と思いながら、身体をあげ、ようやくコルに着く。登攀はこれからなのに、ここで安堵の雄たけびが出てしまった・・・トホホ。コルはクラック尾根上のはずなので、もう少し岩は安定していていいような気がするのだが、岩くずを積み上げた尾根のようである。人気ルートのはずなのに残置もまったく見当たらない。
ホッとしていると足元から抜け口の岩がゴソッと落ちる。するとあっという間に岩くずはガリーを流れ落ちて行き、途中の浮石を巻き込んで、ものすごい岩なだれになった。ようぺい君にビレイ位置をずらしてもらってなかったら、ようぺい君、死んでたな・・・
  轟音が滝谷に響き渡った後、ようぺい君に大丈夫かーと声をかけたら、大丈夫ですーと返事があって、ホ。
  後で、オレ死んだと思わんかった?と聞いたら、上から落ちてこなかったし、叫び声もなかったから、生きているだろうと思ったとのこと。

  その後は、濡れた岩を、弱点をつきながら登る。濡れた岩のクライミングは雨男ガス男(今後ようぺい君をこう呼ぶことにしました)と登るようになってから、鍛えられたので、どきどきしながらも問題なかった。ただ、今回は積雪期の下見という意味合いだったので、そういう目で見れば核心のクラックは手袋だと厳しい気がした。途中のテラスでアイゼンが転がっていたが、落としたクライマーはどうしただろうか・・・

  最後は北穂の小屋のすぐ下に出る。視界がまったくないので、登山道に出るまで小屋が分からなかった。声は韓国人の声が響くのみであった。韓国ではすごく叫びながら登るのが流行っているのか、絶叫する人もいた。今回はハングルの声をよく聴いたニダ。
 

<8/16>
5:00 起床
7:30 出発
9:40 奥穂高岳
11:30 前穂高岳
15:00 上高地

 朝起きると意外に天気がよかった。今日は昨日より天気が悪いと思っていたので、クライミングするつもりではなかった。帰ろうと荷物を干しながらゆっくり片付けていると、ようぺい君が「奥穂行きたい」というので、大急ぎで準備していくことにする。今日、こんないい天気だったら、5・6のコルから北尾根という選択肢もあったな〜などとブツブツいいながらザイテンを登る。奥穂山頂ではガスがあるものの、ジャンダルムがドドーンと見えた。ジャン飛騨もいつか行きたい。
  前穂は荷物を紀美子平に置いて、ピストンする。心拍数を上げる。山頂ではなにも見えず。明神本峰と明神槍(2峰)は見えたかな。紀美子平で箱根の青いTシャツを着たトレイルランナーと会う。I田さんというらしい。少しお話した。皇族の方のような話し方の人だった。

  そこからはただひたすら修行の下降。なぜかクライミングギアを満載したザックを揺すりあげながら、ひーひーで下る。足と肩と腰が痛かった。上高地バスターミナルでカツ丼を食って終了。お疲れ〜。
 

屏風岩 涸沢 雨の中、テント張った
北穂山頂8/15 登攀中くるんじゃなかった・・・ 登攀を終えての帰り
北穂のテン場
びしょぬれのギア類を乾かす 8/16朝 天気いいじゃんか
まだ登ってない北尾根 ドーム 奥穂山頂
 
明神尾根 岳沢  


inserted by FC2 system